前回は、バスケットボール用の車いす(バスケ車)に転倒防止ができたことで後ろに倒れることがなくなり、車いすバスケのプレーの幅が広がったことをご紹介しました。
今回は、普段日常で使用している車いすにはなぜ転倒防止がついていないのかについてお伝えします。
手動の車いすの場合、日常生活では平面の道をこぐだけでなく、デコボコした道や道路から歩道へあがるときの小さい段差があったりします。
皆さんも自転車にのっていてデコボコした道や道路から歩道への小さな段差を乗り降りされた経験はあるかと思います。
普段用の車いすをひとりで乗っている人(自分サイズにあわせた自分専用の車いすに乗っている人)のたいていは、ウィリー(前輪を地面から浮かせた状態で走行すること)ができたりします。
このウィリーができるかできないかがとても重要になります。
ウィリーをすることで前輪を段にのせることができ、小さいな段差や10cmほどの段差であれば一人で乗り越えることができます。
ですが、転倒防止をつけているとそのウィリーができなくなり小さな段差でさえ乗り越えることができなくなります。
小さな段差に気づかず前輪がひかかって体が前にこけてしまうこともごくたまにあります。
車いすに乗っているときも少しの段差は気にしていますが、皆さんも車いすの方を介助されることがありましたら、小さな段差でも前輪を少し浮かせて、段差を乗り越えていくことを憶えておいてもらえるといいかと思います。
ほかにも、うしろにさがるときに転倒防止があれば倒れる可能性は少なくなりますが、車いすは前進する方が圧倒的に多く、うしろにさがることは日常生活ではあまりないこともつけていない理由のようです。
次週も引き続き、バスケ車と普段車の違いをお伝えできればと思います。
タイミク